TOYO's Review レビュー
レビューコラム一覧へVOL.1 アナモフィックレンズとは?
個人向けアナモフィックレンズの
比較動画
Part2では、デジタル一眼レフカメラでも使えるSIRUI Anamorphicなど
「低価格な個人向けアナモフィックレンズ」4モデルの比較動画を紹介していきます。
SIRUI Anamorphic 1.33x
最もお手ごろに使えるSIRUIアナモフィックレンズの特徴は、楕円形のボケ、青色の光線フレアなど、最低限の機能のみを備えたコンパクトさにあります。マイクロフォーサーズ、Leica L、Canon RFなど、対応マウントの豊富さも魅力のひとつですが、圧縮倍率が低い(1.33×)ため、アナモフィックレンズとしての個性は弱めといえます。
実際、撮影素材を見た感じでは、アナモフィックレンズにしてはシャープネスが高く生っぽさがあり、よくも悪くも「キャラクター性のないドライなレンズ」という印象があります。
レンズ自体の個性は弱めですが、光線状の水平フレア、楕円形のボケなど、アナモフィック特有の特殊効果だけが必要だったり、ジンバルに載せたい時などにはおすすめです。
当社レンタルの主な対応カメラ
- Panasonic DC-GH5M2/5S
- Panasonic DC-S1H
- Z CAM E2
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K
- Canon EOS R5
- RED KOMODO 6K
VAZEN VZ 1.8x ANAMORPHIC
VAZEN 社は、高倍率なマイクロフォーサーズ用のアナモフィックレンズながら、高性能な開放値T2.0のモデルを提供しています。より解像度を上げるために、1.8倍という特殊な倍率を採用してるのもポイントです。※1
実際、撮影素材を見た感じでは、ほどよく解像力が弱く、レンズの歪みや周辺解像度のあまさ(Focus Falloff)が少なく「クセのないアナモフィックレンズ」という印象があります。
小型カメラ向けのモデルながら、レンズ自体の重量は2kg弱あり、サイズ感はそれなりにあります。また(基本的には)画角を確認するための外部モニターが必要となるので、撮影前に周辺機器との組み合わせをチェックしておくと安心です。
当社レンタルの主な対応カメラ
- Panasonic DC-GH5M2/5S
- Z CAM E2
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K(要外部モニター)
Atlas ORION SERIES 2x
ORIONは、EF、PLマウント対応で、ARRI ALEXAなどハイエンドな大型カメラでも使える、最もお手ごろなアナモフィックレンズです。開放値T2.0を実現しながら、32mmから100mmまでをカバーする豊富なラインナップ(6本)を揃えた、かなり優秀なシリーズといえます。個人向けアナモフィックレンズの中では、最も重量があります。
実際、撮影素材を見た感じでは、ほどよく解像力が弱く歪みもある「バランスのよい高品質なアナモフィックレンズ」という印象があります。
小型カメラにも使えますが、レンズ自体がかなり大きく、レンズを支えるための「レンズサポート」が必要になったりもするので、どちらかと言えば、本格的なデジタルシネマ撮影におすすめのモデルにです。
当社レンタルの主な対応カメラ
- ARRI ALEXA Mini / AMIRA
- RED GEMINI 5K / KOMODO 6K
- SONY VENICE
- Blackmagic URSA Mini Series
- Blackmagic Pocket Series
- Canon EOS Cinema Series
- その他、PL、EFマウントカメラ
SLR Magic 2x Anamorphot-CINE
個人向けアナモフィック製品のパイオニアとも言える SLR Magic のレンズの特徴は、クセの強いキャラクターにあります。レンズの解放値がバラバラだったり、精巧さは欠けますが、お手ごろな値段でアナモフィック効果の高い高倍率モデル(2×)を使える点が魅力です。
実際、撮影素材を見た感じでは、エッジのにじみがすごく、コントラストは渋めで歪みも強く「クセの強いオールドレンズ」のような印象があります。
マイクロフォーサーズ・カメラで、お手ごろな価格でアナモフィック感のあるレンズを使いたい時や、オールドレンズっぽい質感が必要な時におすすめです。
当社レンタルの主な対応カメラ
- Panasonic DC-GH5M2/5S
- Z CAM E2
- Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K
基本性能の比較
まず最初のテストは、Share Grid社のレンズテスト「Ultimate Lens Library」と同じ内容で、レンズの基本性能を比較したものになります。アナモフィックレンズは普通のレンズよりも解像力が弱くなりますが、逆にそれがアナモフィック特有の味とされています。
カメラはBMPCC 4Kを使用していますが、Atlas ORIONだけはマウントの都合でBMPCC 6Kとなっています。質感の差を比較しやすくするために、ホワイトバランスを適正化、露出のバラつきを補正していますが、コントラストに関しては同じ調整をしています。
フレアの比較
続いては、フレア性能の比較動画です。レンズ絞りはT2.8で、フォーカスは光源のペンライトあたりに合わせた状態になっています。
最短焦点距離と
ブリージング性能
最後のテストは、最短焦点距離(M.O.D.)の検証をするための比較動画です。それぞれフォーカスの合う最短距離から奥にフォーカスを送ることで、レンズの画角変動(ブリージング)のテストも兼ねています。
覚えておきたい
3種類の倍率
映像の横幅を押しつぶすことを「スクイーズ(Squeeze)」と言いますが、横幅をどれだけ押しつぶすか?アナモフィックレンズには異なるいくつかの倍率があります。
その中で覚えておくべきメジャーな規格は、1.33倍、1.8倍、2倍の3種類です。アナモフィックレンズのラインナップを見ると、ほとんどがこの中のどれかに当てはまります。
この倍率の意味合いとしては、1.33倍は押しつぶされた映像が16:9の比率、1.8倍は35mm写真用カメラによくある3:2の比率、2倍は映画用のフィルムカメラで一般的な4:3の比率に収まるように設計された規格と言われています。※1
※11.8x という特殊な倍率は、デジタル一眼によくある3:2のイメージセンサー向けの規格と言われています。ただカメラ側に3:2モードはないので、実際の効果としては4:3モードだと無駄になる横幅の領域をカットして、より高画質なイメージを記録することを目的とした規格となります。
TOYO RENTALでは、話題のAtlas ORION Seriesをはじめ、
デジタル一眼カメラ、BMPCCなどの
小型カメラでも使える、
個人向けのアナモフィックレンズをレンタルすることができます。